はじめに
はじめまして。このブログの管理人の「わるたー」です。
私は35歳の時に直腸がんの治療のため、オストメイトになりました。オストメイトになったばかりの頃は、ストーマのある生活に不安や苦労もありましたが、今では「思ったより大変じゃない、むしろストーマのある生活も悪くないな」と感じています。このブログでは、私自身の体験をもとにオストメイトの生活に役立つ情報を発信することで、これからストーマをつくられる方や、オストメイトになったばかりの方、そのご家族の不安や疑問を解消し、オストメイトとしての生活に希望を持っていただければと思っています。
ストーマと私の歩み
2023年8月、35歳のときに下血があり内視鏡検査を受けたところ、直腸がんのステージ3と診断されました。仕事では転職してわずか半年、プライベートでは結婚してまだ1年半というタイミングでした。
このまま死ぬかもしれないと思っていた私は、がんの専門病院に紹介され、主治医から「手術で根治が目指せますよ」と言われたとき、とても安心したことを今でも鮮明に覚えています。しかし同時に「手術の結果、ストーマ、人工肛門を造設することになります」とも告げられました。人工肛門…なんとなく聞いたことがあるものの、実際にどんなものなのか想像がつきません。そんな疑問を抱えながらも、私の頭はがんの治療のことでいっぱいでした。手術前日、主治医がマジックで私のお腹に人工肛門(ストーマ)の造設位置をお腹にマークしたとき、初めてオストメイトになることを実感し、強い不安を感じました。しかし、その不安と向き合う時間はもうありませんでした。
手術後、一般病室に戻ると、お腹の違和感で自分がオストメイトになったことに気づきました。意外なことに、その違和感は体から腸の一部が出ていること(ストーマ)ではなく、ストーマからの排泄を受け止める袋(ストーマパウチ)が張り付いている感覚だったのです。
オストメイトとしての生活
ストーマ造設後、看護師さんからストーマケアについて説明を受けました。便がある程度溜まったらストーマパウチの中身を捨てること、パウチは2〜3日ごとに交換が必要なことなどです。専門病院だけあって、看護師さんはみんなストーマケアに詳しく、とても親切でした。
しかし、初めて自分でパウチの中身を処理しようとしたとき、「排泄後のお手入れ方法」について聞いていなかったことに気づきました。看護師さんにとっては当たり前すぎて伝え忘れたのかもしれません。自己流で処理したものの、ベッドに戻るとニオイが気になります。清掃が不十分だったことが原因でした。
その後、看護師さんに清掃方法を改めて教わりつつ、YouTubeなどからも情報を集め、思考錯誤のストーマ生活がスタートしました。入院中にパウチ交換の機会が幾度かあり、色々な種類やメーカーの製品を試しました。 その結果、パウチが体に張り付いている違和感や、排泄処理・交換のしやすさが製品ごとに大きく異なることを実感しました。リハビリ期間中に自分に合ったパウチを選べたおかげで、退院後の生活の質が大きく向上しました。
術後の経過も良く、交換やケアも一通りできるようになり、無事に退院を迎えました。入院中は困ったときに看護師さんやWOCナース(ストーマ認定看護師)に相談できたため大きなトラブルはありませんでしたが、退院後はいよいよオストメイトとして自立した生活の始まりです。腸がまだ弱っていたため、最も注意したのは腸閉塞の予防でした。食事には特に気を配り、腸に負担をかけないものを選ぶようにしました。
また、病院にはオストメイト用トイレがあり主にそこを利用していましたが、自宅にはありません。退院前には自宅トイレを想定して練習していましたが、設備や構造が異なるため工夫が必要でした。
体力が戻って外出できるようになると、外出先での排泄処理方法も課題になりました。どこにでもオストメイト用トイレがあるわけではないため、通常のトイレでも対応できるよう準備する必要がありました。
こう聞くと「やはりオストメイトは大変そう」と思われるかもしれません。けれども、やり方や持ち物を工夫すれば、専用のトイレがなくても大きな不便なく生活できます。
むしろ、オストメイトになる前は胃腸が弱く、外出時は常にトイレの場所を探さなければなりませんでした。しかし今は、パウチからの廃棄も1日に数回、便が溜まり始めてからトイレを探しても間に合うため、外出時のトイレの心配は以前より減っています。
家族や周囲のサポート
妻は、私がストーマになったことを悲観するどころか、「どうすれば快適に過ごせるか一緒に考えよう」と前向きに支えてくれました。入院中には私と一緒に看護師さんからストーマケアを学び、必要な道具を準備して持ってきてくれました。今では、パウチ交換のタイミングで「ストーマちゃん、今日も元気だね!」と声をかけてくれるのが日課になっています。
また、職場復帰後に同僚へオストメイトになったことを伝えましたが、驚くほど自然に受け止めてもらい、以前と変わらない関係で過ごせています。周囲の理解があることは、オストメイトにとって大きな心の支えになります。
このブログに込めた思い
オストメイトになる理由は、病気やケガなどさまざまです。すぐに前向きに受け入れるのは難しいかもしれません。しかし、ストーマや生活の中でのちょっとした工夫を知ることで、オストメイトとしての生活は「大変じゃない、楽しく暮らしていける」と感じてもらえると信じています。
私はストーマの専門家ではありません。しかし、実際にストーマ(人工肛門)をつくった患者として、オストメイトだからこそ抱いた疑問や不安、そしてそれを克服してきた経験があります。このブログでは、自身の経験をもとに、これからストーマをつくられる方や、オストメイトになったばかりの方、そしてそのご家族に向けて、ストーマやオストメイト生活に関する情報を発信していきます。さらに、オストメイトの生活をより快適にする便利グッズや、日常で役立つ工夫も紹介していきます。皆さんの不安や心配を少しでも和らげ、安心して過ごせるきっかけになれば幸いです。
おわりに
オストメイトになったばかりの時は、戸惑うことも多いです。でも、慣れてくると「意外と普通に生活できるんだな」と感じられるようになります。むしろ、健康や食生活に気を配るようになったり、家族との会話が増えたりと、前向きな変化もありました。
このブログでは、私自身の経験をもとに、ストーマやオストメイトの生活に関する情報、快適に過ごすための便利グッズや日常の工夫などを紹介していきます。コメントや質問も歓迎しますので、ぜひ気軽にご参加ください。
一緒に情報を共有しながら、オストメイトの生活をより楽しく、快適にしていきましょう!
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