当ブログでは、オストメイトである筆者の体験をもとに、
消化器ストーマ(人工肛門)の話題を中心に、オストメイトの日々の生活や
ストーマケアに役立つ情報を発信しています。

オストメイトって知ってる? ストーマってどんなもの?

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こんにちは、「ストーマライフなび」管理人のわるたーです。
みなさんは「オストメイト」という言葉を聞いたことがありますか?
病気やケガが原因で、お腹に便や尿の出口(ストーマ)をつくる手術を受けた人のことを「オストメイト」といいます。日本には21万人以上のオストメイトが暮らしていると言われていますが(※)、名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという方が多いのではないでしょうか。※参考データ:横浜市オストミー協会 平成30年度 都道府県別オストメイト数

私は2023年に直腸がんの手術を受け、オストメイトになりました。医師から「治療にはストーマの造設が必要です」と言われたとき、「ストーマって何?」「これからの生活はどうなるの?」「今まで通りに仕事や旅行はできるの?」――そんな不安や疑問が一気に押し寄せてきました。これからストーマをつくられる方や、オストメイトになったばかりの方もきっと同じような気持ちではないでしょうか。

この記事では、Q&A形式でそうした疑問に答えながら、オストメイトの生活についてお伝えします。

オストメイトについて知りたい

Q. 「オストメイト」ってどんな人?

A. オストメイトとは、お腹に便や尿の出口をつくる手術を受けた人のことです。大腸がんや直腸がん、膀胱の病気、あるいは事故などで腸や膀胱がうまく働かなくなったときに、お腹に新しい排泄口(ストーマ)をつくります。そして、その排出口に専用の袋(ストーマ装具・ストーマパウチ)を取り付けて、排泄物をためて生活をしています。

Q. 「ストーマ」とは?

A. 便や尿を排泄するために、お腹に新しく作られた排泄口のことです。ストーマは大きく分けて2種類あり、尿を排泄するための「尿路ストーマ」と、便を排泄するための「消化管ストーマ」があります。以前は「人工膀胱」や「人工肛門」と呼ばれることもありましたが、誤ったイメージを持たれやすいため、最近では「ストーマ」という表現が一般的に使われています。

Q. どうしてストーマが必要になるの?

A. いちばん多い理由は、大腸がんや直腸がん、膀胱がんなどの手術です。その他にも、潰瘍性大腸炎やクローン病といった腸の病気、事故などで腸や膀胱にダメージを受けたときも、ストーマをつくることがあります。ストーマは、命を守り、生活を続けていくために大切な手段のひとつです。

Q. なぜ袋(ストーマ装具・ストーマパウチ)をつけているの?

A. ストーマには、便や尿の排出を自分でコントロールする筋肉(括約筋)がないため、便意や尿意を感じたり、排泄を我慢することができません。そのため、オストメイトはお腹に専用の袋(ストーマ装具・ストーマパウチ)を装着し、排泄物を安全に受け止めながら生活しています。

体やストーマ装具に関する疑問

Q. ストーマに痛みはあるの?

A. ストーマ自体には痛みを感じる神経はないため、触っても痛みはありませんし、排泄時に痛みを感じることもありません。ただし、ストーマ装具が正しく装着できていない場合は、排泄物が漏れて、ストーマ周辺の皮膚がかゆくなったりや痛みを感じることがあります。

Q. ストーマパウチに尿や便が溜まったらどうするの?

A. 尿や便がストーマパウチにある程度溜まったら、トイレで中身を捨てて処理します。ストーマの種類や体質などにもよりますが、横行結腸(大腸の一部)にストーマをつくった私の場合、1日3回~5回程度トイレで処理します。私はもともと胃腸が弱かったため、オストメイトになってからの方がトイレに行く回数は減りました。ストーマパウチは、数日に1度、定期的に新しいものに取り替えます。

Q. ストーマパウチはどのくらいの頻度で交換するの?

A. ストーマの種類や使用する製品によって異なりますが、私の場合、2~3日に1回の頻度で交換しています。製品によってはより長く使えるタイプもあります。一方で、夏場やスポーツで汗を多くかいた場合には、パウチが体から剝がれやすくなるので、早めに交換することもあります。

Q. 漏れやニオイは気にならない?

A. 現在のストーマ装具はとても性能が高く、自分に合った装具を選べば漏れやニオイの心配はほとんどありません。装具の選び方やケアで悩んだときは、専門的な知識を持つ看護師(WOCナース:皮膚・排泄ケア認定看護師)やストーマ外来で相談することができます。

日常生活に関する疑問

Q. オストメイトになって生活は変わった?

A. 正直、慣れるまでは、排泄物の処理やストーマパウチの交換に戸惑うことは多かったです。「漏れたらどうしよう」「においが気になるかも」と不安もありました。でも、今は使いやすい装具がたくさんあり、漏れやニオイの心配もほとんどありません。年齢や生活スタイル、ストーマの種類によって個人差はあると思いますが、私の場合は手術前と後で変わらない生活ができています。旅行や温泉、スポーツも楽しめています。

Q. トイレはどうしてる?外出先でも大丈夫?

A. 駅やショッピングモール、病院などの大きな施設には、専用の処理スペースがついた「オストメイト対応トイレ」があるので、安心して排泄物の処理ができます。
自宅や専用設備のない場所でも、トイレの座り方を工夫したり、あらかじめ道具を準備しておくことで不自由なく排泄物の処理ができます。

Q. 仕事や旅行は今までどおりできるの?

A. 仕事も旅行も、今までどおり続けられます。ただし、腹部に強い負担がかかる作業は、ストーマ周囲のヘルニアなど合併症の原因になることもあるため、事前に主治医へ相談すると安心です。
また、予備のストーマパウチや交換に必要な道具を持ち歩いておけば、職場や外出先でも落ち着いて対応できます。

Q. 食事やお酒の制限はあるの?

A. 特に制限はありません。食事もお酒も楽しんでいます。ただし、人によっては炭酸飲料を飲むと、ガスがでやすくなるため、炭酸飲料やビールを控える方もいるようです。また、ストーマの種類によっては、食物繊維の多い食品の食べ過ぎは腸閉塞(腸が詰まる病気)の原因になることがあります。
体質やストーマの状態によって個人差があるため、少しずつ試しながら自分に合った食生活を見つけていくことが大切です。

Q. 周りの人にオストメイトであると気づかれる?

A. いいえ。ストーマ装具は服の下に隠れていますし、正しく装着できていればニオイ漏れの心配もないので、周りからオストメイトであると気づかれることはありません。私自身も、会社の同僚や友人から「言われるまで全然わからない」と言われます。服装は、ストーマや装具を強く圧迫しないものを選ぶ必要があるため、場合によっては服の好みが変わったように感じられる場合もあると思いますが、私はスーツを着て仕事もできています。

おわりに

オストメイトになる理由は、病気やケガなどさまざまです。突然の変化をすぐに前向きに受け入れるのは、簡単なことではありません。ストーマの手術を勧められたとき、多くの方が「生活が大きく変わってしまうのでは」「不自由な毎日になるのでは」と不安を抱きます。
しかし、ストーマは「生活を制限するもの」ではなく、「命を守る、新しい体の一部」です。確かに生活の中で工夫が必要になることはありますが、正しい知識とケアを身につければ、自分らしい暮らしを取り戻すことができます。
もし身近にオストメイトがいる方は、ぜひ温かい理解と応援の気持ちをもって接していただければ嬉しいです。

この記事を読んで「もっと知りたい」「こんなことが知りたい」と思った方は、ぜひコメント欄に気軽に書き込んでください。

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