こんにちは。オストメイトブログ「ストーマライフなび」管理人のわるたーの妻です。
今回は、ブログを運営している夫ではなく、妻である私の視点からストーマ生活についてお話ししたいと思います。
「家族はどのように感じるのだろう」
「ストーマになることで家族に負担をかけてしまうのではないか」
そんな不安を抱えている方やご家族の参考になれば嬉しいです。
ストーマ造設が決まったときに思ったこと
夫が直腸がんの手術でストーマを造設することが決まったとき、私が最初に感じたのは不安ではなく安堵でした。
当時は、これからも共に生きていくことが最優先でした。「ストーマになる」という事実そのものについて考える余裕は、正直ありませんでした。
「生きるための方法がある」
そのことにほっとしたのを覚えています。
だから、「ストーマを受け入れなければ」という気持ちのフェーズはありませんでした。
むしろ、
「生きていくために必要なら、それを前提にどうやって今までと同じように、あるいは今まで以上に楽しく暮らしていくか」
ということを自然に考えていました。
夫とのコミュニケーションで大切にしたこと
夫の入院が決まった頃から、私はストーマについてたくさん調べていました。
今思えば、検索履歴はストーマ関連の言葉で埋め尽くされていたと思います。
ただ、夫とのコミュニケーションでは一つ意識していたことがありました。
それは、
「夫と同じペース、もしくは一歩だけ前を歩くこと」
です。
彼がこれからも笑って、後悔のない生活を送れるように。
私は夫の最善の選択を支えることを大切にしていました。
そのために、私自身は先に情報を集めて理解しておく。でも、本人の気持ちや理解を置いてけぼりにはしない。
夫の気持ちを中心にしながら、必要なときだけ少し先の情報を伝える。
そんな距離感を心掛けていました。
どんな相談にも応えられるように、いろいろな選択肢を準備しておきたい。その思いから、情報収集はいつの間にか日課になっていました。
そしてもう一つ、一貫して伝え続けたことがあります。
それは、
「ストーマができても、あなたへの愛情は変わらない」
ということです。
病気や手術によって身体が変化すると、本人は想像以上に不安になるものだと思います。
だからこそ、その部分だけは言葉にして伝え続けました。
また、治療や今後の生活についても、本人に任せきりにするのではなく、お互いの意見を出し合いながら、二人の総意として決めていくことを大切にしていました。
初めてストーマを見た日のこと
初めてストーマを見せてもらうときは、少し緊張しました。
見たことがなかったので、どんなものなのか想像がつかなかったからです。
また、嫌な感情はわかないだろうという自信はありましたが、初めて見たときの私の反応が彼の気持ちに影響するかもしれないと思い、余計に緊張していました。
ただ、実際に見てみると、
「思っていたより普通だった」
というのが率直な感想でした。
もちろん造設直後で腫れてはいましたが、嫌悪感のようなものは全くありませんでした。
むしろ、
「これから彼をよろしくね」
と、愛着のような気持ちすら湧いたのを覚えています。
ストーマを造設してから知ったことですが、ストーマパウチは医療機器なので、退院後に気軽にいろいろ試せるものではありません。
それが分かってからは、入院中に夫が自分に合う装具を見つけられるよう、さまざまなパウチの情報を調べたり、メーカー情報がまとまっているサイトを探したりしていました。
私にできることは限られていましたが、一緒に情報を集めることで少しでも力になれればと思っていました。
そして何より、私の中では「ストーマちゃん」と呼びたくなるくらい身近な存在になっていたので、夫と仲良く付き合っていけるようにという気持ちでした。
ストーマになってからの生活
意外に思われるかもしれませんが、私たちの生活は以前より自由になった部分もあります。
例えば外出先でのトイレです。
夫は手術前、初めて行く場所では事前にトイレの場所を確認したり、トイレの回数や時間が多かったりすることがよくありました。
私はいつも夫のトイレを待っていました。
それが今では、私の方が夫を待たせることの方が多くなりました。
また、旅行やレジャーも特別な制限はほとんどありません。
温泉にも行けますし、飛行機にも乗れます。
辛い物を食べて翌日にトイレで悲鳴を上げることもないそうです。
出かける前に少し準備が増えることはありますが、「できないこと」が増えたという感覚はありません。
むしろ以前と変わらず楽しめています。
お出かけ中、私は夫がオストメイトであることを意識することはほとんどありません。
家族の負担はあるの?
これもよく聞かれる質問ですが、我が家の場合はほとんどありません。
夫はストーマ管理を基本的に自分で行っています。
装具交換も日常のケアも自分でできるため、家族として負担を感じたことはありません。
もちろん、家のトイレにはストーマ関連グッズや消臭用品が増えましたし、パウチなどを保管するための収納も増えました。
しかし、それは夫自身が臭い対策を研究したり、私がこれまでと変わらない生活を送れるよう工夫してくれたりした結果でもあります。
家の中でも、私は夫がオストメイトであることを意識することはほとんどありません。
ストーマになって変わった意外なこと
実は一つ、思いがけない変化がありました。
それは、夫のおしゃれの幅が広がったことです。
ストーマを圧迫しない服装を考えるようになった結果、以前より服のバリエーションが増えました。
細身のパンツに革靴ばかりだった夫が、今ではオーバーサイズの服にスニーカーを合わせるようになったのです。
気のせいかもしれませんが、前よりおしゃれになったような気もしています。
病気やストーマというと、失うものばかりに目が向きがちです。
でも実際には、新しく得られるものや発見もあるのだと思います。
これからストーマになる方やご家族へ
家族として振り返ると、ストーマは「大きな出来事」ではありましたが、「人生を不幸にする出来事」ではありませんでした。
もちろん、不安がゼロだったわけではありません。
でも実際に生活が始まってみると、想像していたよりもずっと普通の毎日が待っていました。
病気やストーマによって変わることはあります。
けれど、それ以上に変わらないものもたくさんあります。
良くなることだってあります。
もし今、不安を抱えている方がいるなら、
「ストーマがあっても、これまでと変わらず笑い合いながら暮らしていくことは十分できる」
ということを、家族の立場からお伝えしたいです。
このブログに寄稿するにあたって
夫がオストメイトのブログを始めると聞いた時は、「いいんじゃない?」というくらいの軽い気持ちでした。
私自身もストーマやオストメイトについて調べる中で、断片的な情報はあっても、実際の生活に根付いた情報は少ないと感じていたからです。
その後、ブログの記事を読んでいくうちに、夫が私と変わらず笑い合える生活を続けるために、どれほど多くの工夫や努力を重ねてきたのかを知りました。
彼はもともと凝り性な性格です。
だからこそ、このブログを読んでくださる皆さんには、夫が試行錯誤して得た情報を活用して、少しでも快適な生活への近道にしていただけたらと思います。
記念すべき20本目の記事への寄稿をお願いされた時は少し身構えましたが、家族やサポートする側の視点の記事は意外と少ないように感じています。
この記事が、これからストーマを造設する方や、そのご家族の安心につながれば嬉しいです。

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